金属片やむなし

君の影を踏みに。

括約筋のケアレスミスみたいなやつに名前を付けたい


はてななんぞやってると「漏らした」増田ばかり見かける。しかしたまに「それはちょっとどうなの?」と思うことがあるので一石を投じたい。

我慢を重ねて極限状態になることがあるだろう。
「ちょっと行きたいかも。でもここウォシュレットないからなー」から始まり(この時点で明らかに判断を間違えている)、「あれ、ヤバいかも。この先にコンビニあったよな」だんだん嫌な汗が浮かんでくる。「あと少し、あと少しだから」と自分を励ましながら少し変な歩き方でようやっとたどり着いたセブン、トイレの扉がない。「当店ではトイレはお貸ししておりません」の貼り紙。ちゃんと返すから貸してくれませんか?
……まだだ! まだ戦える! 脳内コンビニマップを検索、「近くて便利セブンイレブン」この時ほどセブンの集中出店戦略をありがたく感じたことはない。捨てるセブンあれば拾うセブンあり。普段は意識することのない腸が蠕動しているのを実感しながら次のセブンを目指す。1メートルが10メートルほどに感じられ、視界に次のセブンが入ってきたときは「希望を捨てないぞ!」という強い感情が湧いた。無人島に漂着した人が船影を見つけたときってこうなんだろう。
脂汗をダラダラと流しながらヒョコヒョコと奇妙な格好で歩き、「あとちょっと、あとちょっとだから」と念仏のように唱える。ようやっと入店、ここはトイレ貸してくれるよね、と祈るように視線を壁に這わせる。あった! トイレだ! 僕らの希望だ!
しかし入り口からトイレまでが長い。1メートルが20メートルほどに感じられ、それに変な歩き方を店員さんに見られるのも恥ずかしい。しかしあとちょっとなのだ、あとちょっと我慢すれば漏らさなくて済むのだ! ほら、あと3メートル……。

赤い。赤いあかいあかい。ドアノブの下が赤い。一瞬崩れ落ちそうになる。頭の中でベートーベンの「運命」が高らかに鳴り始める。ベタだろうがなんだろうがそうなんだからしかたがない。「掴んだ理性を絶対に離すな!」そうだ理性だ、判断をしなければ。トイレが使用中の場合、出てくるまでの時間が読めない。ここは撤退か、しかし次のコンビニまで持ちそうにない。しかし待ちきれなかったら、ここで、コンビニの中で醜態を晒すことになる。でも待つしかない、神よ!

……幸いそれほど待たされることなくドアが開いた。こっちはもう足踏みしたり顔を真っ青にしたりで爆発寸前である。ここで気を抜いてはいけない、張りつめた気はゴール寸前で緩むものだ。ゴールしなければこれまでの苦労は水泡と帰してしまう。
「あとちょっと!」ドアを開け、便座の蓋を開ける。「あとちょっと!」ベルトを緩め、パンツを下ろす。「あとちょっと!」理性と肉体のギリギリのせめぎ合い、爆発寸前の格納容器はもうメルトダウン寸前!(我慢しすぎて言語感覚まで狂ってきている)そして便座に尻が触れたか否かのタイミングでの放便!

……やった、なんとか勝った!

あまりにも辛い戦いであった、だが勝った。おれは勝利したのだ!
……圧倒的な安堵感と達成感。おれは許されたのだ、人間としての尊厳を守りきった。やり遂げた自分を褒めてあげたい。というか褒めましょう。こんなときくらい自分を褒めなくていつ褒めるんです?

これがですね、この圧倒的なこれがですね、「漏らした」ときにはこのまんまのパワーで襲い掛かってくるんですよ。さっきまでのは「漏らさなかった世界」でのお話なんです。


……圧倒的な敗北感。人格の否定、尊厳の否定。普段さんざえらそうなこと言ってるくせに漏らしちゃうんだもんな。人間なんて一皮むけばこんなもんですよ。だらしねえ。

でも同時に奇妙な安堵感もあるんです。「もう戦わなくていいんだ」って。
……おれは戦争を知らないけど、戦争に負けるってきっとこういうことなんです。おれはフィギュアを知らないけど、引退を決意した浅田真央選手もきっとこんな気持ちだったはずです。今のおれは浅田選手みたいにみんなに勇気をあげられてるはずなんです。

たまに「おならだと思ったのに」みたいなのを「漏らした」って言う人がいますが、そんな括約筋のケアレスミスみたいなものを「漏らした」だなんて言ってほしくない。「漏らす」ことができるのは戦い抜いた者だけなんです。必死で努力と研鑽を重ね、戦ってたたかってたたかった、その結果「漏らす」んです。たまたまトリプルアクセル跳べたからって浅田選手と比べるなんていくらなんでも失礼じゃないですか!

漏らしたことのない者は幸いである。
しかし人間には、何かを諦めなければいけない瞬間がある。両手で抱えられる以上のものを持つことはできないのだから、何かひとつを選んだときには、何かひとつを諦めて手放す。これを繰り返して人はおとなになっていく。諦めて手放したときの小さな胸の痛みは、やがてかさぶたになって君の心を強くしていく。

漏らしたことのない者は幸いである。
しかし待ってほしい、君はおくびょうなだけではないか? 戦うことを恐れ、正面から向き合うことから逃げてはいないか。どこか人生を達観した気になって、冷めたフリをしてごまかしていないか。アホロートルのように幼生のまま成長してしまったことを後悔していないか。ちょっとでも気を抜くと心が熱い戦いを求めて暴れだそうとするのを、無理に抑えこんでいるのではないか。本当は「自分だって戦える」って叫びたいんだ!


……君の括約に期待している。


※ うんこの話です。
※ 「放便」って造語のつもりだったのですが、本来はトイレ以外の場所でするという意味らしいです。
※ 浅田選手には全力で謝罪します。本当にごめんなさい。

※ 「ケアレスミスみたいなやつ」、「ひやかす」ではどうか。「うんこひやかした」。どうか。

バラバラバラ

来訪中国人観光客が増えて、中国語を耳にする機会が多くなった。っつーか街を歩いてると中国語ばかり聞こえてくる。こんだけ聞いてたらそろそろ中国語を理解できるようになってもおかしくなさそうなのだが、なぜか理解できない。なぜなのか。もしかしてスピードラーニングって嘘なんですか(棒

文章書くのたのしいですか、と言われるとそんなに楽しくはないです。どちらかと言うと苦行に近いのですが、読んでいただけると励みになります。

人を騙す文章を書いていきたいんです。お前らはおれに騙されればいいです。わかりづらいネタを、できるだけわかりやすく書いてるつもりです。木を隠すならモリモリがんばっていきましょう。

エントリのタイトルって適当に付けてます。こないだ「two tails」ってタイトルで書きましたが、エントリの内容から「似ている」➡︎「2テイル」➡︎「two tails」というダジャレです。それくらいフワフワしてます。

ちょっとだけ素直になってみました。これからもお前らを騙すテキストを書いていこうと思います。付き合ってくれるとうれしい。

数字苦手なんだけどね

昨日のは酔って書いたので詰めが甘い。ざっくり10000人に1人がアイドル、という数字まで出したけど、もうちょっと。ドルオタが人類の1%だと仮定すると、アイドル1人あたり100人のオタクがつくことになる。矢野経済研究所の発表によれば1人のドルオタが年間に消費するのは平均8万円とのことなので、事務所に5割持ってかれるとしてアイドルの年収は400万円ということになる。これはあくまでも平均値なのだけど、なかなか現実的な数字じゃないか。アイドルに限らずワナビ系の職業はピンキリなので収入には莫大な差があることに注意が必要なのだけど、「年収400万」って妙なリアリティがないか。月収33万、わあ生ぐさい!!

っていうかこの数字がどこまで妥当であるかはともかく、何がすごいって「人類の1%はドルオタ」と適当にぶち上げた数字がそこまで外してないっぽいことだ。これ本来なら逆に計算して辻褄あわせるタイプの数字だぞ(信頼できない話者)。

それにしても1%か。群衆に向かって100回石を投げたら1回はドルオタにぶつかる計算だけど腕が疲れるからやめておいたほうがいい。っていうか人に石を投げてはいけない。そんなことをしたらおそらくなんらかの罪で捕まる。石を投げたつもりが人生を投げ出すことになるぞ。それを100回もだなんて、弁護士も匙を投げるに違いない。

ちなみに「100回石を投げたら1回はドルオタにぶつかる計算」って嘘だかんね。完全確率だから100回投げたときに1回以上ドルオタにぶつかる確率は約64%、嘘だと思うなら実際にやってみればいい。

あなたがたのうち罪のないものだけが石を投げなさい。

Number of the Beast

最近の高校生はクラスに2、3人の地下アイドルがいて学年に1人くらいアイドルがいる、というのをどこかで読んだ、ということを書いたのだけど、じゃあ実数ってどれくらいなの? ってのを計算してみた。

公の情報から、東京における高校の総クラス数は414(島嶼部、郡部を除く)。これに2.5をかけると約1000人のアイドルが東京にいることになる。これ高校生だけのハナシね。実際には小中学生も大学生もそれをオーバーした人たちもいるだろうから、補正しなきゃいけないんだけど。

東京都民1300万人に対して1000人のアイドル。約0.008%。ざっくり10000人に1人がアイドル。うーんこの。

計算しておいてなんだが、これ全然わかんない。東京の区市エリアが実感として掴めない。元々のクラス38人中2、3人がアイドル、ってほうが感覚的に掴みやすいよね。

酔ってるのでたぶん計算間違えてるとこあると思う。

……ってか男性アイドルの地下とかないのか。

two tails

新幹線を見ていたら。

北海道新幹線スペシャルサイト
http://hokkaido-shinkansen.com/

 

これまでも「最近の新幹線はとんがってて武器っぽいなぁ」とか思ってたんだけど……。

 

これだ!
レディシェーバー LD350 | 製品情報 | 株式会社テスコム

 

グリップ~スイッチ部分が実に新幹線っぽい。

 

他にも新幹線っぽいものが散見される。
http://bit.ly/2npBw4u

http://bit.ly/2nve4ER

 

これはもう「新幹線=女性用シェーバー」と断言してもいいんじゃないか。「お肌にやさしい新幹線ランキング」とか作ったら間違いなくバズるぞ。やったーーー!

 

……あ、新幹線って外部電源だからお風呂で使えないじゃん。梅雨明けてないじゃないですか! やだーーー!

ペペロンチーノ戦争

ブログを始めたい、というので社内レクチャーをした。
自分のブログがこの体たらくなのに他人さまに教えるなぞおこがましい、と言われれば全く仰る通り、ただまあ通り一遍のことならわかっているつもりだ。ログインのしかた、エントリの書きかた、画像の貼りかたといった機能面から、炎上しないための書きかた、など。

炎上を避けられないトピックがある。政治や宗教、差別問題や嫌煙などはどうやっても燃える。ネット上にこれらの話題を投下するのは、ピラニアの棲む内水面に血液を垂らすに等しい。理性は本能の前に無力だ。マウントを取りたがるのは本能に他ならぬ。

センシティブな話題はまだある。
たとえばペペロンチーノのレシピ。これは絶対に書いてはならぬ。ペペロンチーノ原理主義者はチリとガーリックとオイル以外の材料を入れる者にドンドルマのように粘っこい呪詛を吐き、乳化原理主義者は茹で汁を入れないレシピを「焼きそばではないか!」と糾弾する。乳化原理主義過激派は「茹で汁に拘泥する非科学的ペペロンチーノ原理主義者を駆逐せよ!」とフライパンに小麦粉を溶いた水を注ぎながら声を荒げ、美味けりゃどうでもいいじゃん派は「納豆入れると美味いよ!」と斜め上からの絨毯爆撃をする。

もはやカオティックな戦争である。伝統や美学に科学、もっと言うといずれの感覚が優れているか、というアイデンティティのぶつかりあいになる。人は誰しも譲れないものを抱え込んでおり、それが脅かされることに本能的な恐怖を覚えるのだ。

「正しいこと」を書いてはならぬ。「正義」で何かを断じてはならぬ。
それはいずれ折れてしまうことが約束された自滅の道だ。おれもきみも一分の隙さえなく「正しく」はあれない。グレーゾーンに身を置くしかないのだ。

……ところでカルボナーラに生クリーム入れる奴ってニワカだよね。

words

こないだ社内でお茶を飲んでいたら褒められた。

「ぐるぐるさんちゃんと水分補給してる、えらーい」

水を飲むだけで褒められるのだからちょろいもんである。っていうかなんで褒めた。

「ぐるぐるさんあんまり水を飲まないイメージがあったから」

なんだ「水を飲まないイメージ」って。おれを砂漠の生き物か何かだとでも思っているのか。大きな眼球に付いた朝露をペロリと舐めて水分補給するとでも? 「何日かおきに霧吹きで水をかけてあげてください」間違ってるよその飼育方法、そんなんじゃおれ死んじゃうから! ちゃんとお水あげて!!

……あとビールもね。