金属片やむなし

君の影を踏みに。

君の名は

ペットに食べ物の名前つけんのってどうよ? と思うのです。「ペット 名前 ランキング」で検索するとまあみんな食べ物の名前つけてる訳です。猫も杓子も食べ物の名前。もう7割以上が食べ物の名前つけてる。やれ「チョコ」だ「ココア」だ「ミルク」に「マロン」、「モカ」だ「シナモン」「アズキ」に「サクラ」と来たもんだ。なに「サクラ」は花の名前だ? お前らスタバでサクラフレーバーの何かが出ると嬉々として注文するじゃねえか。ちなスタバはコーヒー屋じゃないからなあれは「コーヒーだからいいよね」って女子層にエクスキューズを与えてホイップクリーム売ってるスイーツ企業だ。

こうして見ると食べ物の名前でもスイーツの名前が付けられやすいようである。世のお菓子は味と同時にかわいらしさを追求してきた、おいしいだけじゃダメで女の子の夢みたいなのが乗っかってなきゃいけない。そのかわいいイメージがペットのそれに投影されているのだろう。つまりスイーツネームを付けてんのは女子だ。小洒落たカフェのテラス席でポークジンジャープレートって名前の生姜焼き定食を食べてるあいつらだ。初めて「鳥の唐揚げサラダ」ってのを見かけたときの衝撃を俺は忘れない。「サラダだからヘルシー」どんだけダメなんだよ。

先に挙げた名前の中で頭ひとつ抜けてるのは「シナモン」だ。アップルパイにも使われるしスタバのトッピングにもあるスパイス。もっと小洒落たカフェならマドラーとしてカフェオレにシナモンスティックが付いてくるだろう。自体は甘くないのだけどこの芳香がスイーツとトテモ近しい位置にある。おしゃれ強者。

そしてインド料理では羊のカレーを作るときに使われる。マトンカレーの中から黒々とした木の皮の干物みたいなのが出てきたら、それはシナモンだ。そこで同じカレースパイスなのだし語尾の「モン」がかぶってるからお宅のワンちゃんに「カルダモン」って付けてはどうかと提案したい。 英名で「ビッグカルダモン」(これも羊のカレーに使われる)と「グリーンカルダモン」(スパイスの王様)があるがこれらは全くの別種であることはひとまず置いといて、なんだったら「ピグモン」(ウルトラ怪獣)でもいいんじゃね? ってかいっそ「くまモン」(熊本代表)とか「ドラえもん」(国民的青狸)とかさあ、「…やだもん」(拒否の表明)そうでしょうそうでしょう!

で、スイーツネームつけるにしてももうちょっとひねろうよ、と思う訳です。安直すぎてどうなの? と。ただの「マカロン」じゃなくて「パティスリー自慢のマカロン季節のフランボワーズソースを添えて」とかあっこれおもしろくないやつだ!(確信)

ちなみにウチのねこは「ジャレ」といいます。もらい受ける前に色々考えてたんだけど、生家で呼ばれていた名前を「なんか雰囲気あってるからそのままでいいじゃん」と名前ごと譲り受けました。由来は「よくジャレるから」とのこと。ちょう安直!

そして最後に種明かしだ。ペットにスイーツネーム付けてる人はそんなに多くないぞ!