我ながらひどい
さて何を書こうか。目をつぶって頭をぐるぐる振って、最初に目についたものについて書くことにしよう。さあ目をつぶって…。
河童と目が合った(強弁)。
しばし見つめ合ったのち、彼は「俺が見えるのか?」と聞いた。
「見えるとも、お前は河童だろう」
「いかにも河童である。世に聞こえし『水道橋の紅天狗』とは俺のことよ」
「聞いたことないしお前は河童で緑色だ。なんだ『紅天狗』って『緑河童』くらいありえないぞ」
「うるさい、妖には妖のしきたりがあるのだ」
「クビナガキリン、ハナナガゾウ」
「黙れ下郎、尻子玉を抜くぞ」
「あいにく常識人なのでパンツもデニムも履いている。もしかしたらチャックは開いているかもしれないが」
「勝負は相撲で決めよう」
「こちとら根っからの文化系、体力勝負は勘弁願いたい」
「なんと我儘な奴だろう! 霞ヶ浦の次郎丸ですらここまでではないぞ!」
「おや河童の次郎丸をご存知か」
「存知も何も奴と俺とは義兄弟、遠野で夏を共にする間柄よ」
「そうか俺も奴とは浅からぬ因縁、他人ではない」
「次郎丸とは何が?」
「霞ヶ浦で行き倒れていたところ『腹が減っているのか』と生の銀鮒を渡され閉口した。ビチビチいってんのに食えるかっつーの」
「あいつそういうとこあるよな」
「配慮がないんだ」
「俺もあいつから生のキュウリを渡されたことがある」
「それはいいだろ」
「両端を落として灰汁抜き、板ずりくらいはやってほしい」
「野生を失いすぎじゃないか」
「できればもろみ味噌を添えて」
「居酒屋か。河童なら生で食え、バリバリ食え。俺の夢を壊すな」
「お前ら人間は河童に夢を見過ぎなのだ。俺だって普通の河童だ、普通に生きてるし、普通にウンコもする」
「いや『アイドルはウンコしない』みたいな夢は見てないから」
「河童の肛門から出るものを3つ答えよ」
「えっ」
「正解は花びらとダイヤモンド、それからたまにトウモロコシだ」
「ちょっとキレイめに振ってごまかしてるけど、ド直球の下ネタだよね?」
「ごまかしているのではない、匂いを消しているのだ」
「ウンコだけに、って言いたくねえよ!」
…最後までお読みいただきありがとうございました。これからもこの調子で書いていきます(断言)。どうぞよろしく。