金属片やむなし

君の影を踏みに。

内なる声とエディタ戦争

わりと温厚な人間を自認しているのだけど、生きている限りイラッとすることもあるのは避けられない。


たとえば道を歩いているとき、進路をふさぐように横並びでノロノロ歩いている人たち。混雑した駅の階段で、進行方向を逆に歩いてくる人たち。そういったものに遭遇すると、おれの脳髄はすばらしい速さで回転を始める。脳内罵倒だ。

断っておくが普段おれは他人を罵倒することなどない。わりと温厚なのだ。ちょっとだけ皮肉屋かもしれないが。

脳内罵倒のほとんどは「不幸になればいいのに」のバリエーションなのだが、それが毎回まいかい違った内容になる。イラッとするたびに「新規作成」をクリックして「新しい脳内罵倒(1286).txt」を作成、真っ白なテキストファイルに新しい罵倒を書き込んでいく。

「飼い犬の尻尾を踏んで1週間くらい避けられるようになりますように!」「突然古い友人から連絡が来たと思ったらネットワークビジネスの勧誘で善意からやめるように忠告したらそれが裏目に出ますように!」……なんかキレが悪いな。苛立ってるときのおれはこんなもんじゃない、自分でも感心するくらいキレッキレの罵倒フレーズを紡ぎ出す。今おれ苛立ってないからいいフレーズ出てこねーわー、つれーわー(ドヤ)。


平常時のおれがWindowsの「メモ帳」で罵倒フレーズを書いているとしたら、苛立っているときのおれはSublime Textみたいな入力補助機能のあるエディタで書いているようなものだ。一部の方にしかご理解いただけない喩えではあるが、ご理解いただける方にはこれ以上ない喩えであると自認している。


もういちど書くけど、わりと温厚な人間であると自認している。ちょっとだけ○○(任意記入)かもしれないが。