金属片やむなし

君の影を踏みに。

完壁な餃子の焼きかた

ブログというのはライフハックとか書くものらしいので、おれも倣ってみよう。
題して「完壁な餃子の焼きかた」だ。言っておくがマジ記事である。いつものようにふざけた要素はひとつもない。純粋に餃子の焼きかたを追求した記事である。おれだって真面目なことも書けるのだ。

まず餃子を作る。これはまあ好みの分かれるところだろうから、ご自由に作っていただきたい(いつかおすすめのレシピを書くことがあるかもしれない)。問題は焼きかたである。
道具。これはどこのご家庭にもあるフッ素加工のフライパンを使う。鉄のフライパンは取り回しが面倒なので、料理というより「鉄のフライパン」が趣味という人(毎日のように鉄のフライパンを使うことができる人)にしかおすすめできない。大きさは26センチくらいは欲しい。フライ返しはフッ素加工を傷つけない非金属のもの。
まずフライパンに油をひく。ひくというか、垂らす。ちょっとでいい、5ccくらい。これはフッ素加工であってもフライパンと餃子が固着することがあるのを防ぐためのものだ。
その油に生の餃子をちょんとつけ、鍋肌に貼り付けていく。並べかたはご自由に。ただあまり欲張ってギチギチに詰めるとトラブルの素になるので、ちょっと余裕をみよう。
餃子を並べ終えたら、水をそそぐ。だいたい餃子の高さ下部3分の1、数が少ない場合は4分の1くらい。羽根を付けたいならこの水に片栗粉を少々入れておく。
蓋をして強火にかける。量にもよるがおよそ4〜6分。だんだん水が減ってきて、糊化した水がグズグズ言い始める。焼きムラができないよう中火に落としてじっくりと蒸発させる(水を捨てる方法もあるが、難易度が上がるのでおすすめしない)。視認できる水がなくなってしばらくすると、焼き音が軽くなる。「グズグズ」「ブツブツ」と言っていたのが「プチッ」「パチパチッ」となる。そのタイミングでフライパンの肢を横殴りにする。もしくはフライ返しでで底をこそぐ。
するってえと全体が鍋肌から剥がれる。この状態では餃子はまだカリふにゃである。焼き上がり30秒しか「カリッ」を楽しめない。そこに油を鍋肌から回しかける。ちょっと多めの大さじ1くらい。中火で3分、羽根の部分が濃い焦げ茶色になったらもう大丈夫だ。油が気になるなら鍋を揺すりながらクッキングペーパーで拭き取ろう。そこにはこの上なくカリッカリでジューシー餃子ができているはずだ。
ベストコンディションにはベストコンディションで応じたい、冷蔵庫からよく冷えたビールを出そう。冷凍室から出したキンキンに凍ったジョッキに注ぎ、泡が落ち着くのを待っている間に玄関のチャイムが鳴る。30分前に注文しておいたピザが届いたのだ! よく冷えたビールとクアトロフォルマッジに洋梨トッピングの組み合わせは至福である!

……あと餃子を茹でて冷水に受けたあと、油で焼くって方法もある。これは冷水に受けることで組成が変化し、食感に劇的な変容を生み出す。ホントにやってみてほしいので、あとでちゃんと書く。