金属片やむなし

君の影を踏みに。

踊る君を見て

もしおれが何かを喩えて「マーク・パンサーがジャパニーズヒップホップシーンに与えた影響くらい」って言ってたら、それは基本説明を放棄しているときです。玉虫色の回答と申せましょう。

玉虫色、というのは構造色です。色素を持っていないのにも関わらず、微細構造によって光が反射して特定の色に見えるというやつです。CDや黒揚羽、鰹の刺身などに見られます。牛肉でもそうですね。

人は食べてすぐに寝ると牛になるらしいので、我々の肉も虹色に光るようになる可能性があるわけです。まあ肉を切らなきゃ見えないんですけど。

江戸の末期、傾奇者として知られた大崎禄左衛門は当時禁忌とされていた(らしい/真偽不明)牛肉を好んだそうで、そのため牛肉が構造色を持つことを知っていたのでしょう。ために切腹を命じられた際、「我が首光らせん」とたらふく牛鍋を食べた後すぐに眠って臨んだとのことですが、さすがに介錯された首は光らなかったそうです。人は牛にはなれないのです。

……雑な嘘をついてしまいました。本当は人は牛になれるんです。だってあのマーク・パンサーも歌ってたじゃないですか、信じれば夢はかなう、的なことを。知らないけどたぶん歌ってたんじゃないかな。

ええと、構造色の話です。この話をすると「見る角度によって色が変わる」というトテモ含蓄のある喩え話をしたつもりになれます。よかったですね。